Bikila

1960年のローマオリンピック、裸足でマラソンの金メダルをとったAbebe Bikila選手。タイムは2:15:16

 


ベアフットランニング Vol.1 & Vol.2 もご覧下さい。

 

ではいよいよ実践編です。ベアフットランニングに関する書籍を読んで色々と考えた結果、なるべく筋力トレーニングなどをせずに自然に適応していく方法に決めました。ランニングに適切な筋肉や体のバランスはランニングをすることによって最も効率良く得られるのではないかという考えからです。ここで紹介する方法は全て自分が実際に試した方法です。

 

ステップ1:靴選び

まず裸足で走るのか靴を履いて走るのかを決めます。殆どの方はいきなり裸足になるには抵抗があるかも知れません。Vol.2で靴選びについて簡単に紹介していますので参考にして下さい。初心者の方に僕がお勧めするのはウォーターサンダルです。価格も安く通気性も良いので裸足で履く際にも問題ありません。この他にもソックスだけを履いて走るという方法もありますが怪我の予防にはあまり効果は無いかと思われます。また、実際に試した事はありませんが地下足袋やワラジなんかも良いと思います。

 

ステップ2:フォアフットストライクの感覚をつかむ

Vol.2でも少し触れましたが、まずフォアフットストライクがどのような感じなのかを体験するには靴を脱いで裸足で走ってみるのが一番手っ取り早いです。裸足になったら最初は何も考えずに思うままに走ってみて下さい。殆どの場合、体が勝手に踵からの着地を避けフォアフットストライクになります。ランニングシューズに慣れている場合は裸足で走ると中々前に進まないように感じるはずです。着地の時に地面から跳ね返されるような感覚もありません。当たり前ですが着地時の衝撃は自分の筋肉と主に膝の関節を曲げる事によって吸収します。ふくらはぎの筋肉を中心に筋肉痛になりやすいのはこの為です。あくまで感覚をつかむのが目的なので適当に走ったら止まって下さい。以下の図はヒールストライクとフォアフットストライクの着地時の衝撃の比較です。


barefoot_heelstrike

裸足+ヒールストライク

 

runnningshoes_heelstrike

ランニングシューズ+ヒールストライク

 

barefoot_forefootstrike

裸足+フォアフットストライク

 

グラフから見ても分かるように、フォアフットストライクの時は体重の移行がスムーズなのに比べ、ヒールストライクでは着地時に大きな衝撃があります。ヒールストライクで走った時、ランニングシューズを履いた場合は踵の部分のクッションのお陰で裸足の時に比べてショックが少なくなっています。

 

ステップ3:姿勢を整える

体の上下動を含むあらゆる動きに対してもっとも効率良く適応する為には正しい姿勢が肝心です。正しい姿勢とは地面に対して上体が直角で、体を横から見た時に、耳からまっすぐ下ろした直線が足首の位置にあることです。人間の脊柱は首と腰の部分で前湾し、背中の真ん中で後湾しているのが正常です。肩は足の方に下げてから少し後ろに引きます。足下が気になる所ですが視線は遠くを見るようにして下さい。姿勢を正しく保つ事により背筋や腹筋の異常な緊張を防ぎより効率良く走る事ができます。

 

ステップ4:歩幅とペース

ベアフットで走る場合、一秒間に3歩のペースが最適だとのことです。腕時計を見ながら自分で試してみましたが、普通に走るよりも短い歩幅でリズムも早くなります。この方法で現在も走っていますが快適です。体格や足の長さでも変わって来ると思うので適当に調節してみて下さい。また、走る時に上下動が大きい方は要注意です。一歩一歩踏み出すたびに上に蹴り上げるのはエネルギーのロスになるばかりか足への負担も大きくなります。なるべく上下動を抑え、自分の体を前に押し出すイメージで走ってみて下さい。それともう一つ、走るときの”足音”に注目してみて下さい。バタバタいってませんか?綺麗な着地をすれば足音が静かになります。

 

ステップ5:10%ルール

突然何kmもベアフットで走るのはリスクがあります。初日は5分間だけ走ってみて下さい。そのときの様子をみてどれくらいならば走る事が出来るかを見極めます。足が痛くなったり筋肉に痛みがあるのに無理して走り続けることは怪我のもとです。体を慣れさせる為に最初の数週間は週に5〜6日ペースで走ることをお勧めします。ここで10%ルールがでてきます。10%ルールとは一週間ごとに走る距離を10%ずつ増やして行くという方法です。もし今週の合計が10kmであった場合、来週は合計11kmにします。こうやって少しずつ距離を増やす事によって効果的に体を慣らしていく事ができます。僕は現在も普通のランニングシューズとベアフットシューズを交互に使用して体を慣らしています。体が適応するまでは色々と工夫してみて下さい。

 

ステップ6: 実際に走る

あとは思いっきりベアフットランニングを楽しんで下さい。

 

ベアフットランニングを実践してみて気づいた事のまとめ

  • 普通のランニングシューズでもフォアフットストライクは可能です。ただ踵が高い為に裸足やベアフットシューズに比べると少しやりにくさは残ります。実際に走っている人をよぉく観察すると普通のランニングシューズでフォアフットストライクの人はかなりいます。そしてこれまたよぉく観察していると綺麗なフォームで走っている人やとにかく速い人はほぼ100%フォアフットストライクで走っていました。
  • 最初の4週間はふくらはぎに激痛がありました。僕はふくらはぎの調子をその日の距離の判断基準にしていました。筋肉痛の回復には時間が必要です。超回復といって筋肉は繊維が壊れて回復する際に前より太くなるという仕組みでどんどんと肥大します。休息をとりましょう。
  • 個人的にはアスファルトの上をメインに走っているのですが予想に反して特に問題はありません。走る場所が固い程、足のクッションをより効率良く使おうとする働きがあるように感じます。
  • 足の裏、足首、膝、股関節の痛みを感じた事は1回もありませんでした。
  • 走るときの姿勢が良くなったので走った後にたまにあった肩の周りの違和感が無くなりました。
  • 足の筋肉がかなりつきました。
  • 僕は走る為の筋力トレーニングはそんなに必要ではないと思っていますが、正しい姿勢を長時間維持する為に体幹部の筋肉を鍛えることはプラスの効果があると思います。
  • 体重が重いと負担が大きくなるので走行距離やスピードに気をつけて下さい。

 

次回で最終回です。次はベアフットランニングに関するリサーチやビデオの情報などをご紹介します。

 

参考文献
http://www.barefootrunning.fas.harvard.edu/Nature2010_FootStrikePatternsandCollisionForces.pdf

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